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活字中毒です。実生活にまったく活かせてないですが。

「奇蹟の画家」後藤正治

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自身も絵も、このまま誰にも知られず観られることもなく朽ち果てて土に還ればそれでよい  。 そう言い聞かせてはいたが、空漠たる思いにとらわれることもいかんともしがたい。

 

ここまでほとんどなすすべもなく歳月が流れていった。ふと自身の人生はなんであったのか、このままでいいのか、この先どう生きていくべきか、と思いやるのであるが、答えは浮かんでこない。

 

ものを書くことを志し、本を出しはじめて間もなくの時期であったから二十数年も前のこと。銀座で画廊を開いていた老画商に、いい絵とはなんですか、と訊いたことがある。深夜のバーのカウンター。画商は出版社の担当編集者の知人で、たまたま隣り合わせに座った人だった。酔った席での戯れ言である。老画商はこう答えた。  ビジネスを抜きにしていえば、普遍的にいい絵というものはなくて、あなたに何事かを語りかけてくる絵があなたにとっていい絵です、と。

 

最近は答えばかり、即効性のあるものばかり、求めて、磨り減っている。。

語りかけてくるものを受け取れるだろうか。。